研究課題/領域番号 |
18K04845
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
吉冨 徹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主任研究員 (20585799)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高分子ゲル封入培養 / 微細藻類 / バイオ燃料 / トリアシルグリセロール |
研究実績の概要 |
近年、持続可能な資源として、微細藻類がもつ脂質・炭化水素生産に期待が集まっている。そこで、微細藻類の大規模な培養技術が試験的に試みられているものの、微細藻類の大量培養を行った場合、約十マイクロメートルの小さな藻類細胞の回収が困難であるだけでなく、微生物のコンタミケーションにより培養に失敗するといった問題がある。そこで申請者は、微細藻類をハイドロゲル内に封入することで、回収やコンタミネーションの問題を解決するだけでなく、藻類オイルの生産性を上げることのできる特殊な環境を構築できることを示した。また本研究では、アルギン酸ゲルに微細藻類クラミドモナスデバリャーナを封入したところ、培養開始後、ゲルが透明な状態からだんだんとクロロフィル由来の緑色に変化することを確認した。またゲル内では、球状の細胞凝集体を形成し、バイオ燃料として使用可能な脂質の蓄積が高まることを見出した。このメカニズムを解明するため、アガロースゲルやアルギン酸ゲルの弾性を変化させ、脂質蓄積の影響を調べたところ、周囲のゲル弾性による脂質蓄積量の違いを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の課題である微細藻類のゲル封入培養法の構築と脂質蓄積促進のメカニズムの解明の目標をほぼ解決し、3報の論文を発表した。また高分子材料を用いた新しい微細藻類の遺伝子導入法も試みており、さらに1報論文投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、脱炭素化に向けた技術が世界中で盛んに研究開発されており、本研究で開発した技術は、二酸化炭素を固定し、藻類細胞内に有用化合物を蓄積させる新しい技術として期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
1報の論文投稿を予定しており、その投稿費用が必要であるため
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