ゲノム編集技術は細胞の特定の遺伝子を塩基配列特異的に編集できる技術だが、類似の塩基配列をもつ目的外の遺伝子の編集リスクが存在する。オフターゲット効果の低減は、発がんリスクの低減において極めて重要である。現在の塩基配列分析法において、in vivo遺伝子修正による目的遺伝子以外の遺伝子改変が生じた際の、改変部位の特定は非常に難しいといわれている。オフターゲット変異はゲノムワイドに生じることから、精度の高い全ゲノムシーケンス解析が要求される。したがって、意図しない編集が行われた際の部位特定は現状困難であり、治療の安全性を担保するには、正確性の高い遺伝子編集技術の開発が極めて重要であるといえる。
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