研究課題/領域番号 |
18K04868
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研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
坂田 修身 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 放射光利用研究基盤センター, 副センター長 (40215629)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | シンクロトロンX線 / X線吸収微細構造(XAFS) / Pd-Ptナノ粒子 / IrドープPdRuナノ粒子 / その場測定 |
研究実績の概要 |
1)Pd-Ptバイメタルナノ粒子(NP)における水素吸蔵と構造変化のメカニズムに関する研究 Pd NPの水素貯蔵容量は、粒子が小さくなるにつれて低下するが、この容量の低下はPtを添加することで改善される。コア(Pd)-シェル(Pt)(CS)および固溶体(SS)NPの水素吸蔵・放出(PHAD)過程における水素貯蔵機構と構造変化について、局所構造の変化を調べるため、X線吸収微細構造(XAFS)のその場測定を行なった。Pd原子対は、SS NPよりもCS NPの方がより歪んでいる。PHAD後のCS NPでも同様に確認された。Pd K吸収端のXASデータは、CSおよびSS NPにおいて、信号のほとんどがPd-Pd原子対に由来することを示しており、PHAD後でもPdクラスターが存在することを示唆している。PHADは界面構造の再配列を引き起こし、均一な分布を持つようになる。SS相では活性なバイメタルサイトの被覆率が高いため、より高い水素貯蔵容量が観測されると結論した。 2) IrドープPdRuナノ粒子(NP)の局所構造解析と熱安定性の向上に関する研究 XAFSのPd K-吸収端データから、かなりのPdが偏析し、金属NPクラスターを形成していることが分かった。PdRuIr NPsでは、一部のPdがIrと合金を形成しているが、大部分は新しい面心立方構造を持つRu-Ir合金である。PdとIrのドーピングによる熱安定性の向上は以前から観測されていたが、温度依存のin situ XAFSを用いて調べた。Ru NPsでは、673Kで吸収端近傍の特徴が急激に変化し、PdRuとPdRuIr NPsではそれが徐々に抑制されることがわかった。合金元素の添加によりより高い温度までO2をRuO4形成する過程を遅らせ、PdRuおよびPdRuIr NPsの熱安定性を順に向上させるのに役立つことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染の社会的状況で移動制限が生じ、予定していた海外施設での実験をできなかったが、データを解析し、論文を執筆して研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
PdRuなどの固溶体ナノ粒子の原子配列構造や太陽電池に関わる薄膜の構造などを調べる。また、バルク半導体結晶の構造を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、研究成果発表のための学会発表を予定通りにできなかったため。 論文成果の公開をより促進するため、論文原稿の添削や投稿料金などにあてる予定である。
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