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2023 年度 実績報告書

端構造を制御したナノグラフェンの成長と局所構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K04881
研究機関岡山大学

研究代表者

小幡 誠司  岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 特任准教授 (90616244)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードgraphene / graphene oxide / hexagonal boron nitride / edge structure
研究実績の概要

昨年度までに、以下の2点は達成していた。① 粉末六方晶窒化ホウ素(h-BN)を粘着テープにより剥離することで、平坦な数百nmのh-BNを得ること。② その薄膜h-BNに対して酸化グラフェン(GO)を塗布し、超音波処理を施すことにより、その表面に高被覆率で単層GOを塗布すること。しかし、最終的な目標である端構造の観測のためには粘着テープからGO面を上面にした状態で、他の基板上に転写する必要があった。そのまま、通常の手法で転写してしまうとGO成膜面が裏面になってしまい観測ができない。そのため、表面を清浄に保ったまま、GO表面を上面に転写する手法の開発を行った。h-BN薄膜は水などの溶液には、ほとんど不可溶であり、溶媒表面に薄膜を形成することが以前の研究からわかっていた。その特徴を利用し、氷を用いた転写法を開発した。具体的には以下の手法で行った。① 通常の転写法と同様に、固体である氷の表面に通常の転写法同様にGO/h-BNを転写(この時、GO面は氷界面と接している) ② その後、氷が溶けるとGO/h-BNが気液界面に漂う(この時、GO面は溶液と接している) ③ それをTEM gridや絶縁基板などに吸着させるように転写 以上の様な新規プロセス開発により、産業的にコスト競争力の高い粉末h-BNを用いて、高被覆率で単層GOに覆われた薄膜h-BNを作製すること、それをGO上面にして各種基板に転写することに成功した。その後、化学気相成長法(CVD)を用いてGOの高結晶性グラフェン化を試み、処理前後でRaman分光法、電子顕微鏡観察を行った。しかし、原子レベルでの端構造の詳細な解析を行うことはできなかった。今回開発した氷を利用した手法は、他の層状物質の清浄な転写や表裏面の反転などに広範に利用できるものであり、大きな成果と言える。一方でより高分解能での端構造解析が課題として残った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 六方晶窒化ホウ素粉末を用いた薄膜形成と酸化グラフェンとの複合膜形成2024

    • 著者名/発表者名
      小幡 誠司、仁科 勇太
    • 学会等名
      第71回 応用物理学会 春季学術講演会

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公開日: 2024-12-25  

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