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2018 年度 実施状況報告書

液体上での積層膜形成とパターニングによる無機/有機積層デバイスの作製

研究課題

研究課題/領域番号 18K04889
研究機関九州工業大学

研究代表者

下岡 弘和  九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (50253555)

研究分担者 北村 充  九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10313199)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードチタン酸バリウム / 自立膜 / ナノ薄膜 / 無機ー有機積層膜 / パターニング
研究実績の概要

本研究の目的は、液体表面でのナノ薄膜および無機/有機積層ナノ薄膜の新規作製法における成膜・積層条件の検討と、考案した新規パターニング法による積層デバイスの試作およびその特性評価である。平成30年度は、液体表面での成膜・積層条件の検討のために、膜形成過程における表面・界面エネルギーの変化を追跡することを検討した。グローブボックス内にロードセルを設置し、Wilhelmy法により表面・界面エネルギー変化をその場測定することを試みたが課題が多く、得られた膜の膜厚、面積、表面平坦性などの膜質との関係を議論できるまでには至らなかった。そのため、積層後の膜についての評価ではあるが、走査電子顕微鏡による直接観察やX線回折による結晶相の評価、可視紫外分光装置による光透過特性の測定などの他に、単分子層から数ナノメートルオーダーの極めて薄い有機膜の状態を評価できるX線光電子分光法や全反射表面増強赤外吸収分光法を利用して無機膜と有機膜の界面の状態を評価することを検討した。無機層としてチタン酸バリウムゲル、有機層としてポリ乳酸からなる積層膜について検討した結果、ポリ乳酸のカルボニル基が無機膜表面に対して平行に配向していることがわかった。有機官能基の配向が確認できたことから、有機膜による無機膜内の結晶配向の制御を目的として、効果が期待される有機膜の合成研究を若干行った。今回は、光などの外場で構造や物性が変わる多置換芳香族、複素環化合物のなかで、感光体やフォトレジストとして用いられるフルオレノン骨格を有する有機分子の合成を行い、置換基の異なるフルオレノン誘導体をいくつか合成することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

液体上での成膜・積層過程における表面・界面エネルギー変化のその場測定には課題が残ったため、積層後の膜についてX線光電子分光法や全反射表面増強赤外吸収分光法など幾つかの方法で評価した。このことが、当初の成膜・積層条件の検討に関して進捗状況にやや遅れが生じている要因となっている。また、今回全反射表面増強赤外吸収分光法の測定結果から有機官能基の配向が確認できたことから、有機膜による無機膜内の結晶配向の制御に効果が期待される有機膜の合成研究に時間を割いた。このことも当初の積層膜の膜厚、面積、表面平坦性などの膜質に及ぼす成膜・積層条件の影響についての検討が遅れるもう一つの要因になった。

今後の研究の推進方策

積層膜の膜厚、面積、表面平坦性などの膜質などの成膜・積層条件の検討には、積層後に全反射表面増強赤外吸収分光法などを用いて行う。令和元年度は、有機膜を換えて積層膜を作成し、膜のパターニングと、平成30年度に購入したエレクトロメータを用いた誘電特性評価を並行して実施する計画である。

次年度使用額が生じた理由

(理由) 本年度計上したピコアンメータについては、高電圧電源を内蔵した上位グレードものに変更し、他の予算と合算して購入した。また、表面・界面エネルギー変化を測定する目的で計上した電子天秤については、残った課題を解決できない可能性が生じたため購入を見合わせた。以上のことにより、次年度使用額が生じた。
(使用計画) 次年度使用分は、電気的測定の精度が下がらないようするための測定環境の改善に使用することを考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Pd-catalyzed Cyclization of Terminal Alkynes using Diazonaphthoquinones: Synthesis of Naphtho[1,2-b]furans2018

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Takahashi, Hirokazu Shimooka, Tatsuo Okauchi, Mitsuru Kitamura
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 48 ページ: 28-31

    • DOI

      https://doi.org/10.1246/cl.180803

    • 査読あり
  • [学会発表] ジアゾナフトキノンからのRh触媒を用いた環化反応によるフルオレノン誘導体の合成2018

    • 著者名/発表者名
      下岡弘和, 前田啓太郎, 蒲池建人, OTHMAN Dina I. A., 岡内辰夫, 北村充
    • 学会等名
      日本化学会 第99春季年会

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公開日: 2019-12-27  

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