ナノメートルスケールの細孔内部の分子集団はバルク状態とは異なる特異な振る舞いを示すことが知られている。本研究では単層カーボンナノチューブの内部空洞に極性分子である水を吸着させ、その構造と誘電物性を電気伝導度測定、原子間力顕微鏡観測、核磁気共鳴、x線回析、分子動力学シミュレーションの手法により調べた。平均直径が1.4, 2.0 nmの単層カーボンナノチューブで作製した各フィルム試料において、水吸着により電気抵抗の減少が室温で観測された。また、一軸加圧により扁平化させたカーボンナノチューブ内部では、プロトンが秩序化したリボン状の氷が形成されることを明らかにした。
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