研究課題
基盤研究(C)
本研究では、熱処理に伴い金属ナノ粒子が熱酸化Si膜内部に分散する過程において形成されるナノホールについて原子間力顕微鏡法や透過電子顕微鏡法などを用いて調べた。その結果、熱処理保持時間の増加に伴い形成されるナノホールの長さが増加し、ナノホール径はナノ粒子のサイズや結晶構造によって変化することを見出した。これらの結果から、熱処理条件やナノ粒子の粒子径および金属の種類を適切に選択することでナノホールの径や長さの制御が可能であることが明らかとなった。
材料工学
固体材料に形成されたナノホールは、ナノ空間における化学反応場やナノツール作製のモールド材などとしての利用が期待されている。ナノホール形成に金属ナノ粒子を用いる本手法は、従来のナノホール作製法と比較してプロセスの簡素化・低コスト化が期待できるが、形成されるナノホールのサイズ制御が課題とされる。本研究で得られたナノホール径およびナノホール長制御に関する知見は、ナノホールの高次構造制御に寄与すると考えらえる。