本研究では、生体由来の小胞の検出や解析を想定したナノスケール小胞の効率的な電気融合を実現するデバイスを開発した。微細加工技術で作成したデバイスは、ガラス基板上にシリコン電極とリポソームを保持するPDMS製のマイクロウェル構造を有する。リン脂質から界面通過法を用いてリポソームを作製後、金属メッシュフィルターを用いてサイズが異なる2種類のリポソームを調製し、デバイスに導入した。蛍光顕微鏡の観察下で電気パルスを印可することにより、大小2サイズのリポソームの融合が確認された。本デバイスはマイクロウェル構造により融合前後の比較や統計処理が容易であり、効率的で網羅的な小胞の融合解析への寄与が期待される。
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