研究実績の概要 |
多種物理量の同時測定化の原理を探究するために,簡単な数値計算モデルを作成し,数々のシミュレーションを行った. まず,円筒形の装置の中心断面上の4カ所に熱源を置き,この装置を同時に並進加速度運動,および一定速度で回転させた.円筒の半径は0.01m,高さも0.01mである.並進加速度は0g(m/s), 1g, 2g, 3g,回転速度はπ(rps),2π,3πとし,それらすべての組み合わせでシミュレーションを行ない,装置内の温度変化を測定した. これらの結果を用いて,x軸を並進加速度,y軸を回転速度,z軸を時間的に変化する温度の最大値と最小値とする3次元をグラフを作成した.このグラフの逆関数を求めれば良いが,数式を用いて解析することは困難なので,コンピューターを用いた3次元逆関数グラフという手法を考案し,それを用いることで上述の目的を達した.すなわち,x軸を最小温度,y軸を最大温度,z軸を並進加速度,もしくは回転速度とするグラフを作成した.このグラフのデータを装置に内蔵することで,装置の測定した温度から,並進加速度と回転速度の同時測定が可能となる. 次に上記装置をある点を中心に回転させ,回転半径と回転速度が同時に計測できるか否かを確認した.このときの回転半径は0(m), 0.01, 0.02, 0.03, 0.04とし,回転速度は0(rps), 0.1, 1, 10, 40である.温度の測定箇所は2カ所とした.前述の手法を用いて,最終的にx軸を測定点1の温度変化量,y軸を測定点2の温度変化量,z軸を回転半径,もしくは回転速度とするグラフを作成した.このデータを用いて回転半径と回転速度の同時測定が可能となる. 本研究結果は7th Global Nanotechnology Congress and Expo(December 02-04, 2019)にて招待講演として報告した.
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