研究課題/領域番号 |
18K04927
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
江良 正直 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (30191927)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ハロゲン化鉛系ペロブスカイト / キャビティポラリトン / ハイブリッド励起子 / 有機・無機量子井戸 / Langmuir-Blodgett法 / レーザー / 発光デバイス / 光非線形材料 |
研究実績の概要 |
スクイーズドアウトを利用した新しいLangmuir-Blodgett法をハロゲン化鉛系層状ペロブスカイト有機・無機量子井戸質薄膜の作製法の適用した。その結果、表面粗さが数ナノメートル以下の非常に光学的に高品質な薄膜を得ることに成功した。これにより、ハロゲン化鉛系層状ペロブスカイト薄膜をキャビティポラリトンデバイスへ応用することが可能となった。 更に、この層状ペロブスカイト薄膜(膜厚60 nm)を誘電体ミラー及びAlミラーで挟んだ微小共振器を作製した。この微小共振器においてキャビティポラリトンの形成を確認した。これにより、ハロゲン化鉛系層状ペロブスカイトがキャビティポラリトンデバイスへ応用可能であることが示された。 また新たに、ハロゲン化鉛系層状ペロブスカイトの有機層に有機半導体を導入することにより、無機半導体のワニエ励起子と有機半導体のフレンケル励起子が結合可能であるハイブリッド励起子系の構築にも着手した。分子混合法によりアントラセンのようなかさ高い有機半導体を有機層に導入できることを明らかにした。 今後は、キャビティポラリトンデバイスにおいては、キャビティポラリトンのボーズアインシュタイン凝縮の確認、さらには無閾値レーザなどのポラリトンデバイスへの応用の可能性について検討していく。ハイブリッド励起子系においては、ワニエ励起子とフレンケル励起子の結合状態やそれによりもたらされる光非線形について検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナの影響のため多少の遅れはあるが、目標とした点に関しては概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
生成を確認したキャビティポラリトンのボーズアインシュタイン凝縮の確認が第一の目標となる。次に、このボーズアインシュタイン凝縮に起因した無閾値レーザや光非線形性の確認と応用の可能性について検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、研究の進行が妨げられたため。研究は申請書に示した計画通りに進めていく。
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