本研究では、可視光の一部を透過しつつも発電能力をもつ半透明有機太陽電池の高効率化に取り組んだ。当初目指していた3元混合層(ベースとなるバルクヘテロ型有機半導体層に対して適切な分子をドーピングした層)による高効率化については、素子形成過程における熱処理が性能を大幅に劣化させることがわかった。これを回避するための素子形成過程および素子構成を検討したが、研究期間中に決定的な解決策は得られなかった。一方で、半透明太陽電池への光照射方向と発電特性の関係を詳細に調べることで、発電状況下での電荷の移動特性についての知見が得られることを見出した。
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