これまでの極低温域の温度測定では、半導体素子の電気抵抗が環境温度と共に変化する性質を利用した、半導体温度計の使用が主流であった。この方式の場合、半導体を駆動する為の電流を流す金属線2本に加え、抵抗の変化を読み取る計測線2本を加えた、計4本の信号線を常温部から低温分に敷設する必要があった。この電子を媒介として付随する金属線が必要である従来の方式に対し、本研究では、熱伝導率が極めて小さいガラス製の光ファイバも用い、媒介として光を使う測温方式を提唱し、その実用化に向けて開発を進めてきた。これまでに用いられて居なかった信号媒介と信号線素材の組み合わせを提唱した意義は充分にあると考えられる。
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