研究課題/領域番号 |
18K04956
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
鍋谷 暢一 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30283196)
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研究分担者 |
松本 俊 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00020503)
村中 司 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20374788)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 太陽電池 |
研究実績の概要 |
太陽電池は燃料を必要とせず、太陽光を照射するだけで半永久的に利用できるため、身近な電力源としての役割は大きい。しかし現在実用化されているSi系やCuInGaSe(CIGS)系半導体太陽電池の効率は十数パーセントであり、さらなる高効率化は必須である。 禁制帯中に中間バンドをもつマルチバンドギャップ半導体では中間バンドを介して光を吸収し自由キャリアを生成できる。本研究では、2.26eVの禁制帯幅をもつZnTeに局在準位を形成する酸素(O)を添加し、局在準位を高密度化して中間バンドを制御する。そしてZnTeO混晶を光吸収層をとするマルチバンドギャップ半導体太陽電池を作製することを目的とする。 ZnTeO混晶はZnTeを母体とするマルチバンドギャップ半導体であるが、O原子を取り入れることが困難である。その理由はZn-TeとZn-Oの結合長が25%程度異なり、結晶内の歪エネルギーが高くなるかである。これを緩和するために硫黄(S)を介した結合を作ることでO原子の取り込み確率の増加を目指した。今年度はS原料として蒸気圧の高いSではなく、ZnS化合物を利用してS組成を制御することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
真空中で原子を供給して成長する分子線エピタキシー(MBE)では、蒸気圧の大きなS単体よりもSの化合物であり不純物を含まないZnSを原料として利用することでS組成の制御に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
ZnSTeO混晶は4元混晶であるため、各組成比を求めることは困難である。今後は2次イオン質量分析(SIMS)などを用いて組成比を調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
体調不良により年度の途中で研究が続行できなかったため。
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