本研究ではOVPE法によるバルクGaN単結晶の成長機構の解明を目的として、第一原理計算を用いて(1) O不純物の吸着・脱離反応を含めたGaN成長プロセスの解明と(2) GaN成長における表面再構成とその面方位依存性に関する解析、の2つの研究を行った。(1)ではGaN結晶表面に吸着したO不純物の脱離エネルギーは大きく、OとOHの形では脱離は起こりにくいがH2Oに還元することで脱離しやすくなることを示した。(2)ではOVPE成長条件下ではGa分圧が増加するにしたがってO不純物を取り込みやすい(1-101)表面構造が現れやすくなることから、結晶に取り込まれるO不純物量が増加することを示した。
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