硫化亜鉛基板上に電子ビームリソグラフィにより作製した長さ2 μmの金ナノロッドを用いて実験を行った。赤外吸収スペクトルから、本ナノロッドに担持される表面プラズモンの共鳴周波数は1100 cm^-1であった。本試料に対して波長波長632.8 nmのレーザーを励起光として非弾性散乱光の観測を試みた。得られたスペクトルにおいて基板である硫化亜鉛のラマン散乱光のに加えて波数1500 cm^-1だけシフトした位置になだらかなピークを有する金ナノロッドからの広帯域の電子ラマン散乱光を確認した。しかし、表面プラズモン共鳴による波数1100 cm^-1だけシフトした位置におけるピークは観測できなかった。
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