数ナノメートル以下の領域に光を閉じ込めて分子と相互作用させると、自由空間における相互作用とは大きく異なる振る舞いを示す。例えば、真空電磁場との強い相互作用で分子の励起状態の性質を大きく変化させて新しい機能を持たせることもできる。本研究成果の学術的意義は銀ナノ粒子二量体間隙がその様な場として利用できる可能性があることを示したことである。また、社会的意義は、従来は余り関心を持たれなかった電磁場のゼロ点振動である真空揺らぎの振幅を増強することで物質の性質を操作できる可能性を示したことである。真空揺らぎの応用光学として新規材料開発に結び付くことが期待できる。
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