ヨウ化セシウム(CsI)シンチレータに中性子を照射すると、シンチレータ中に含まれるヨウ素とセシウムが放射化され、放射化生成物としてCs-134mとI-128が生成される。これらの生成物はシンチレータ中に内部線源として含まれるので、きわめて高い検出効率で放射能を測定することができる。また、短時間の照射で大きな放射能が得られるので、高感度の測定が可能である。本研究では、1回の短時間の中性子照射によってシンチレータ中に二種類の核種(Cs-134mとI-128)が生成されることを利用して、カドミウムフィルタ法を用いずに熱中性子束を簡便に測定する方法を開発した。
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