研究課題
基盤研究(C)
機械学習技術の発展により、人工知能は画像認識やチェスや囲碁などの分野において人間の知能を凌駕するようになってきた。本研究では、こうした機械学習技術を分子科学に導入することによって、タンパク質間に見られる重要なダイナミクス現象を解き明かしていくことを目指している。本研究では、まず、簡便なモデル系の運動を予測する機械学習技術を開発した。対象系を徐々に複雑にし、最終的には、抗体と抗体に捕えられた抗原の間の界面を、機械学習を活用して解析する技術の開発に成功した。
計算化学
機械学習技術により、人間が認識できなかったものを認識することが可能になってきた。本研究では、抗体と抗体に捕えられた抗原の間の界面を、機械学習を活用して解析する技術の開発に成功した。抗原-抗体界面の複雑なダイナミクスの理解が深まると、抗原と強く結合できる抗体の設計が容易になると期待される。この研究成果は、分子と分子の複雑な関係性を紐解くと言う学術的意義だけでなく、抗体医薬品の設計にも役立つ可能性がある。