研究課題/領域番号 |
18K05063
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
豊玉 彰子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (50453072)
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研究分担者 |
奥薗 透 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 准教授 (10314725)
山中 淳平 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80220424)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | コロイド / コロイド結晶 / 結晶成長 / 微粒子 / ポリスチレン粒子 |
研究実績の概要 |
コロイド粒子の分散液に線状高分子を溶解させた系では、粒子間の狭いギャップに高分子鎖が侵入できないため、ギャップとバルクの間で高分子濃度に差が生じる。この濃度差により浸透圧差が生じるため、粒子間に枯渇引力と呼ばれる見かけの引力が働く。引力系コロイドでは、非結晶相中の粒子濃度は結晶中より十分小さく、溶液成長または気相成長に対応する結晶成長が観察される。これまでに、コロイド系の結晶化過程や不純物排除過程について知見を集積してきた。しかし、コロイド結晶化過程において、コロイド特有の現象と、普遍的な現象の境界は、必ずしも明らかでなく、コロイドをモデル系として適応するさい、その範囲を明確化することが必要と考えられる。本研究では、コロイド系と原子系との類似点・相違点を明確にすることで、枯渇引力コロイド系のモデルとしての妥当性を検証することを目的として、粒子サイズや粒子間相互作用の結晶形状への影響を検討した。 5種類の粒径dを持つポリスチレン(PS)粒子を用いた。PSの比重はおよそ1.05であり、結晶の成長に伴い、沈降の影響が顕著になる。この影響を取り除くために、本研究では媒体として、重水と軽水の混合系を用い、比重マッチングを行った。高分子には、ポリアクリル酸ナトリウム塩を用いた。枯渇引力コロイド系の結晶化に対する粒径の影響を主として検討した結晶の形状は、概ね粒子間ポテンシャルから導かれた、ステップエネルギー密度により説明できる。しかし、条件によって、結晶化挙動がコロイド系と原子系と異なることが明らかになってきており、現在論文作成中である。
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