超分子化学の観点から,細胞にみられる,高次に階層化された化学システムをつくりだし,その機能を搭載した材料を開発する試みがなされている。しかし,そのほとんどは,超分子構造体中の弱い分子間相互作用を外部刺激によって変換・制御することで,構造体の形状や物性をスイッチングするものであり,常にエネルギーの供給と散逸のある平衡から遠く離れた系で発現される細胞機能を再現するには至っていない。それに対し,本研究成果は化学反応を活用することで,細胞にみられる相転移現象の一端を再現することに成功しており,新たな機能性材料の設計指針を供するものである。
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