多剤耐性菌の対策は、現在の医療において最重要課題である。また、多価効果の利用は生体を模倣した有効な機能強化法として期待されてきたが、現在までに実用に至る十分な成果は得られていない。本研究の成果は、上記のいずれに対しても有効な知見を与えるものであり、多剤耐性菌の対策に実用性のある研究の発展に寄与すると期待される。また、産業廃棄物である酵母残渣から単層カーボンナノチューブの可溶化材として活用可能な多糖類の分離は、新しい機能材料開発に極めて需要な知見である。特にキラル選択性の発現は、カーボンナノチューブと可溶化剤とが持つらせん構造の相関性によるカーボンナノチューブの新しい精製法として重要である。
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