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2018 年度 実施状況報告書

外部刺激応答型へリックスピレン円偏光発光(CPL)材料の創製

研究課題

研究課題/領域番号 18K05094
研究機関近畿大学

研究代表者

今井 喜胤  近畿大学, 理工学部, 准教授 (80388496)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード円偏光発光 / CPL / キラル / キラリティー / 蛍光 / ピレン / 光学活性 / 非古典的
研究実績の概要

当研究室ではこれまでに、円偏光発光(CPL)特性を備えた各種光学活性ペプチド-ピレン有機発光体の開発に成功している。
本研究では、光学活性ペプチド-ピレン有機発光体にピぺリジンユニットを導入することによる、溶媒依存CPL特性の制御について検討した。
ピぺリジンユニットを導入した光学活性ペプチドのCPLスペクトルを、ジクロロメタン溶液中、およびDMF溶液中、測定した。その結果、両溶媒においてCPLを観測することに成功し、そのCPL波長は、ジクロロメタン溶液中では449 nm、DMF溶液中では488 nmであった。興味深いことに、ピぺリジンユニットを導入することにより、ピぺリジンユニット導入前のペプチド-ピレン有機発光体で観測された溶媒依存CPL反転が、阻害されることを見出した。
以上、光学活性ペプチド-ピレン発光体において、ピペリジンユニットの有無により、CPLの溶媒依存チューニング特性を制御することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究計画は、1)ターゲット発光体として、柔軟な光学活性ペプチドユニットを主鎖とし、発光性ユニットとしてピレン環を有する光学活性ペプチドピレンCPL発光体を合成する。2)発光性ピレン環の精密なキラル空間配置制御により、CPLのスイッチ・メリー・増幅・消去さらにはCPL波長のチューニングを行う、というものである。これまでの研究において、新しいピぺリジンユニット導入型ペプチド-ピレン有機発光体の合成に成功し、その光学特性の非古典的制御にも成功しているため、おおむね順調に研究が遂行されていると考えている。

今後の研究の推進方策

研究計画に基づき、適切なアミノ酸ユニットを選択することにより、CPLのスイッチ・メモリー・増幅・消去さらにはCPL波長のチューニングを可能にするへリックスピレンCPL発光系の実現を目指す。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
既存の光学活性ペプチド試薬、溶媒を用いて合成実験を行ってきたため、試薬消耗品費が少なかった。当初、光学活性ペプチド発光体の合成が、難航すると予想されていたが、順調に推移したため、試薬薬品費の支出が、当初予定に比べ、大幅に抑えられた。
(使用計画)
今年度の予算計画として、実験用試薬などの消耗品を中心に使用する予定である。さらに、研究実施期間の中間年であるため、学会発表など積極的に行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 9.Circular Dichroism and Circularly Polarised Luminescence of Bipyrenyl Oligopeptides, with Piperidines added in the Peptide Chains2018

    • 著者名/発表者名
      Mimura, Y.; Kitamura, S.; Shizuma, M.; Kitamatsu, M.; Imai, Y.
    • 雑誌名

      Org. Biomol. Chem.

      巻: 16 ページ: 8273 - 8279

    • DOI

      10.1039/C8OB01869C

    • 査読あり
  • [学会発表] 光学活性ペプチド-ピレン発光体の円偏光発光(CPL)チューニング2018

    • 著者名/発表者名
      味村優輝・北村沙也香・靜間基博・北松瑞生・藤木道也・今井喜胤
    • 学会等名
      日本化学会第98春季年会

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公開日: 2019-12-27  

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