研究課題
基盤研究(C)
本研究では、鎖状化合物の位置選択的合成が芳香族化合物の位置選択的合成よりもはるかに容易であるとの考えに基づき、芳香族化するための仕掛けを施した鎖状基質からこれまでにない機能を有する縮合環芳香族化合物の合成を目指して研究を実施した。具体的には、以下の課題に関する研究を行った。1) 面不斉ピリジン触媒の実践的合成法の開発と応用, 2) 4-キノロン誘導体合成法の開発、3) ヨウ素と硫黄を利用する機能性芳香族化合物合成法の開発。
有機合成化学
芳香族化合物を合成する上で現在欠かすことのできない役割を担っているのが、芳香族求電子置換反応である。しかし、多種多様な芳香族化合物の需要が高まりつつある中、芳香族求電子置換反応だけでは合成することが困難な芳香族化合物が多数存在する。本研究は、人類社会の発展に寄与すべく、置換基をあらかじめ望みの位置に配置した鎖状化合物から芳香環自体を構築するという我々がこれまで独自に開発してきた芳香族化合物合成法を大幅に発展させることを目指して実施した研究である。