脱炭酸反応を起点とする双性イオン等価体の発生と反応開発に取り組んだ。先行研究において、環状エノール炭酸エステルがルイス酸の作用によって温和な条件下で脱炭酸反応を起こして双性イオン種であるオキシアリルカチオン等価体を発生し、触媒的ナザロフ環化反応が効率的に進行することを見出した。この知見に基づき、[1]脱炭酸型ナザロフ環化反応の応用研究、および[2]脱炭酸反応による新たな双性イオン種の発生に基づく反応開発、を本申請研究にて遂行した。その結果、不斉ナザロフ環化反応、ホモナザロフ環化反応、1,2-転位反応の開発に成功した。
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