研究実績の概要 |
本研究は、芳香環をベースとした原料から、薬理活性の観点で重要な含窒素芳香族化合物の効率的合成法開発を目的としている。本年度は、種々の芳香環にカルボン酸塩化物とAlCl3を作用させて芳香族ケトンとし、次に少量の水とヒドロキシルアミンを作用させてオキシムへ誘導し、最後にDPPA[Ph2P(=O)N3]を加えて加温することにより、対応する1,5-ジ置換テトラゾールを良好な収率且つ1工程で合成できることを見出した。また、芳香環から簡単に誘導できる種々のN-(o-アリールベンジル)トリフルオロメタンスルホンアミドにDIH(1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントイン)を加えてタングステンランプ光照射し、最後にtBuOKを作用させると、対応する6-置換フェナンスリジン及び6-無置換フェナンスリジンが良好な収率且つ1工程で得られることを見出した。さらに、O-(b-アリールエチル)アリールイミデートに、K2CO3存在下でDIHを加えてタングステンランプ光照射すると、対応する2,4-ジアリール-5-ヨードオキサゾールあるいは2,4-ジアリールオキサゾールが良好な収率且つ1工程で得られることを見出した。芳香環から簡単に誘導できる種々のN-(o-アリールエチニル)ベンジル p-トルエンスルホンアミドにNIS(N-ヨードスクシンイミド)を加えて加温し、次にtBuOKを作用させると、対応する3-アリール-4-ヨードイソキノリンが良好な収率且つ1工程で得られることも見出した。
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