研究成果の概要 |
ルイス酸テンプレートは、分子内に存在する金属原子が基質と反応剤を活性化すると共に、反応点を接近させるため、効率的に反応を促進する。しかし、これまで化学量論量の試薬が必要であり、大きな課題であった。本研究ではペンタジエノールを基質として反応条件を徹底的に精査した結果、MS-4A存在下、H8-BINOL, MeMgBr, Me2Znを用いることで、世界初の触媒的ルイス酸テンプレートDiels-Alder反応に成功した。さらに本ルイス酸テンプレート反応を種々の多官能基化環状化合物への合成に応用した。その結果、抗腫瘍天然物イグジクオリドの高効率的な全合成に成功した。
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