本研究では、硫黄化合物であるフェニルチオトリメチルシランをN-ブロモスクシンイミドととも用いることで、従来反応性が低かったN-ブロモスクシンイミドの反応性を大きく向上させることを見出し、以下の成果を得た。 (1)電子密度が低く、N-ブロモスクシンイミドのみでは反応が進行しない芳香環の臭素化及び塩素化がフェニルチオトリメチルシランを添加することで効率的に進行することを見出した。(2)本試薬の組み合わせを用いることで環状アセタールから直接的なエステル化が進行することを見出した。(3)本試薬の組み合わせを用いることで、従来では進行しなかったラジカル反応が進行することを見出した。
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