本研究は、極めて高い安定性をもつ多角体結晶を利用し、アミノ酸置換や欠損による触媒活性中心の最適化や基質の取り込み、拡散制御を試み、様々な反応条件下での活性制御が可能な反応場を構築した。また、細胞内で形成されるタンパク質結晶を利用するため、将来的には、細胞内での触媒反応も可能となり、触媒科学だけでなく、生体機能を制御する人工酵素の創製も可能となる。さらに、本研究で使用した多角体結晶は、細胞内で酵素の内包を完結し、乾燥や熱に対して高い安定性をもつため、タンパク質精製の高速化やタンパク質の長期保存と放出活性化など、生体機能材料の合成に止まらず、医薬品開発などへも応用可能な分子技術である。
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