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2020 年度 実績報告書

構造制御と触媒高耐久化を同時実現するワンステップ合金ナノクラスター創出法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 18K05144
研究機関名古屋大学

研究代表者

邨次 智  名古屋大学, 理学研究科, 講師 (20545719)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード白金 / ナノクラスター / カーボン担体 / カーボンナノチューブ / ランタノイド / 酸素還元反応 / 燃料電池 / XAFS
研究実績の概要

本研究では、構造制御と触媒高耐久化を同時に実現する「ワンステップ合金ナノクラスター創出法」の実現と発展を目標に、特に燃料電池電極触媒の酸素還元反応 (ORR) 活性の向上と高耐久化を狙った、カーボン固定化Pt系バイメタリックナノクラスター (NC) の創出を目指した。
(1) まず、Ptのみで手法確立を行った。ピロール配位子を持つPt錯体とピロールを多層カーボンナノチューブ (MWCNT) 表面で共重合・還元する手法で調製したPt NC-ポリピロール-MWCNT複合型触媒は、ピロールを用いない複合型触媒と比較して粒径制御が達成されたとともに、ORRにおいてより大きな電気化学表面積を示し、高い比質量活性と触媒耐久性を示した(論文発表)。
(2) 次に、(1)の共重合法過程においてランタノイド(ガドリニウム)錯体を同時に添加することで、Pt NC-ランタノイド金属種-ポリピロール-MWCNT複合型触媒を調製した。粒径制御されたPt NCの生成に成功したものの、ランタノイド金属種は酸化された状態の化学種として、Pt NCの近傍に存在していることをXRF、TEM/STEM、XPS、XAFS等の表面構造解析により明らかにした。本系は、ランタノイド金属種を有さない触媒と比較してORR触媒活性が大幅に増加し、その理由としてランタノイド種によりPtの酸化が抑制されていることを、電極表面に電圧を印加した状態におけるin-situ XAFSにより解明した。(論文発表)。
(3) ランタノイド種がPtと合金形成をし、真のバイメタリックナノクラスターとなることを目指すべく、用いるランタノイド錯体前駆体と還元手法を種々検討した。まず、カーボン担体なしで、ランタノイド金属をランタンとして、還元温度・時間について検討を行い、Ptとランタンがバイメタリック化する条件を見出した。続いて、Pt錯体、ランタン錯体前駆体をカーボン担体に固定化・還元を行ったところ、Pt-ランタンバイメタリックナノ粒子の生成をXRD、TEMより確認した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Oxygen Reduction Reaction Performance Tuning on Pt Nanoparticle/MWCNT Catalysts by Gd Species2020

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Ichihashi, Satoshi Muratsugu, Hirosuke Matsui, Kotaro Higashi, Oki Sekizawa, Tomoya Uruga, Mizuki Tada
    • 雑誌名

      J. Phys. Chem. C

      巻: 124 ページ: 26925-26936

    • DOI

      10.1021/acs.jpcc.0c09308

    • 査読あり
  • [学会発表] 放射光分析を駆使した新規固定化金属錯体・固体触媒材料の創製2021

    • 著者名/発表者名
      邨次智
    • 学会等名
      Nanospec2021 顕微ナノ-放射光表面-プローブ顕微鏡 合同シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 希土類金属種を併用したPtナノ粒子の創出-調製・構造評価と電極触媒特性2021

    • 著者名/発表者名
      邨次智
    • 学会等名
      名古屋大学シンクロトロン光研究センターシンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 酸素非含有金属錯体前駆体を用いた白金-ランタノイド系合金ナノ粒子の調製2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤 光彦・邨次 智・唯 美津木
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会

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公開日: 2021-12-27  

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