研究課題
(1)目的:極めて高いPDT効果を示すグルコースを連結させたクロリンe6誘導体(Glc-Ce6)の前臨床試験を展開した。(2)研究方法:グルコースを連結させたクロリンe6誘導体(Glc-Ce6)の前臨床試験臨床使用を目的として、14C標識Glc-Ce6を用いてGlc-Ce6の吸収・分布・代謝・排泄について前臨床試験を実施した。次いで、自然発生腫瘍の犬の症例を使用して、Glc-Ce6を使用したPDTの効果を調べた。(3)研究結果:グルコースを連結させたクロリンe6誘導体(Glc-Ce6)の前臨床試験14C標識Glc-Ce6を用いてGlc-Ce6の吸収・分布・代謝・排泄について前臨床試験を実施した。ラットモデルでは、血中半減期が1.8日であり、Glc-Ce6の94.9%が24時間後に胆汁中に排泄されることを発見した。最小致死量は、マウスで250 mg / kg、ラットで300 mg/kgであった。これらの結果は、TSの結果よりも優れていた。次いで、自然発生腫瘍の犬の症例を使用して、Glc-Ce6を使用したPDTの効果を調べた。 PDTプロトコルは、鳥取大学農学部の倫理委員会によって承認済(倫理承認番号:H28-004)。犬(雄、14歳)の足には血管周囲腫瘍があった(ステージT2N0M0)。 2mg / kgのGlc-Ce6を静脈内投与し、半導体レーザー(波長:671 nm、160 mW / cm、80 J / cm)を照射した。 PDTは合計6回行われ、103日後に腫瘍は完全に消失した。足の腫瘍を持つ犬のこの前臨床試験は非常に重要であり、試験から、Glc-Ce6およびPDTの抗腫瘍効果と安全性の証拠が得られた。以上、本研究の成果は、糖質を連結させた医療用ハイブリッド体の開発にとって重要な知見を与えるものとみなされ、今後の非臨床試験へ向けていっそうの発展が期待される。
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