本研究の目的は,近年開発されたフーリエ変換型コヒーレント反ストークス分光法(以下FT-CARS法)を用いて,秒や分スケール,または1秒以下で構造変化する動的現象を振動情報から捉えることへの応用を目指した。本研究では始めにFT-CARS法の光源として広帯域チタンサファイアモード同期レーザーの作製を行った。これにより指紋領域を十分に網羅し,2700 cm^-1までのラマンシフトを観測することが可能になった。測定試料として高速に構造変化が起こる瞬間接着剤の硬化過程の観測を行った。さらに信号を増強するためヘテロダイン光学系へ改良を行った。今後このシステムによりタンパク質の変性現象の観測を目指す。
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