• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

次世代型NMR法を用いたゴムの架橋構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K05175
研究機関高知大学

研究代表者

山田 和彦  高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 准教授 (80373380)

研究分担者 高橋 雅人  国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 上級研究員 (60392015)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードゴム / 架橋構造 / NMR
研究実績の概要

ゴムのマクロ物性は硫黄原子による架橋構造により決定される。しかしながら、アモルファス試料であるゴム中の硫黄を化学的に分析できる手法が存在しないため、長きにわたり、架橋構造は明らかになっていなかった。本研究では固体核磁気共鳴(NMR)法を駆使して、ゴム中の硫黄原子に関する電子・分子情報を取得することに挑戦をしている。
本年度はゴム中の架橋構造のモデル化合物として、ジベンジルジスルフィド(低分子有機硫黄化合物)を中心に、磁場掃引固体NMR法とゼロ磁場NMR法の測定を実施した。特に後者のゼロ磁場NMR法では、80Kから300Kの温度領域で鋭い信号を観測することができ、緩和時間の測定や二次元Nutation Echo法を適用して、硫黄NMRパラメータを正確に算出することができた。これら基礎データは来年度以降のゴムの架橋構造解析に役に立つ重要な知見と言える。また、緩和時間の測定から分子の動的挙動に関する情報を得ることができ、将来のゴム中のダングリング結合の有無の確認にも応用できることが示唆された。信号感度の面では、同一実験条件下でWURST-QCPMG法、Echo法、また、QCPMG法を用いた測定を行い、それぞれのSN比を算出した。T2時間次第ではあるが、180KではQCPMG法が感度的に最も有利であることが判明した。実際のゴムに対するNMR測定では、測定温度(T2時間)を考慮し、最適な実験条件下を見出したいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

低分子有機硫黄化合物の磁場掃引NMR法とゼロ磁場NMR法の測定は順調に進んでいる。ゴム中の架橋構造のうち、ジスルフィド結合のモデル化合物としてジベンジルジスルフィドを測定したが、想定以上に信号強度が強く、様々なNMR測定法を試験することができた。

今後の研究の推進方策

ゴム中の架橋構造のうち、モノスルフィド結合のモデル化合物として、メチオニンもしくはシステインを測定する予定である。また、トリスルフィド結合のモデル化合物は、合成方法とX線構造解析の結果の有無等を踏まえて、現在検討中である。

次年度使用額が生じた理由

硫黄33安定同位体標識化合物の価格が変動したため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 四極子相互作用が大きい場合の固体NMR法2018

    • 著者名/発表者名
      山田 和彦
    • 学会等名
      第64回固体NMR・材料フォーラム
    • 招待講演
  • [学会発表] 含硫黄高分子を測定対象とする次世代型固体NMR法の開発2018

    • 著者名/発表者名
      山田 和彦
    • 学会等名
      第67回高分子討論会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi