本研究では、ベンゾイル化エタノールアミンリン酸(EAP)に対する抗体を用いて、EAPに特異的な競合型酵素免疫測定法(ELISA)を開発することに成功した。このELISAは、ヒト血漿中の0.3μM以下のEAP濃度を測定するのに十分な感度を有していた。血中のEAP濃度は2.0~3.0μMで、うつ病発症時には1.5μMまで低下することが報告されている。それゆえ,本ELISAは,うつ病の診断におけるEAPの定量化に十分な感度を持つと考えられる。さらに、抗EAP抗体は、ベンゾイル化EAPに高い親和性を示した。したがって、本ELISAは、ヒト血漿中におけるEAPの定量法として貴重な新しい分析法となる。
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