本研究では極微量のアスタチン(At)化合物に適用できる新しいキャビティリングダウン(CRD)分光装置を開発し、揮発性At化合物の性質を明らかにする事が目的である。まずCRDチェンバーを用いて同族元素であるヨウ素の分光実験を行い、信号の観測に成功した。次にAt試料のチェンバー導入法を検討し、テフロンチューブ製導入管ならびに加熱したガラス管で構成した光学キャビティを用いることによってAt化合物を気体分子として効率的に分析部に導入できることを明らかにした。また、At化合物の石英ガラスとテフロンチューブへの吸着特性についての知見を得た。これは医学応用に向けた装置開発等において有用な情報である。
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