ラドン(Rn-222)やトロン(Rn-220)は希ガスの天然放射性元素で、鉱物などに含まれるラジウムを起源とする。あらゆる場所に存在するため、これまでに健康影響やトレーサ利用等の観点から、多様な研究の取り組みがなされてきた。本研究では、ラドンの環境動態の最初のプロセスであるラドン散逸現象の理解を目的に、鉱物粒子の性質がラドンやトロンの散逸に及ぼす影響を実験や計算に基づいて検討した。その結果、鉱物を加熱処理(400~800℃、6時間)することで、アニーリング効果によって散逸が抑制された。また、モデル計算から、アルファ反跳に比べて固体内拡散の散逸への寄与は小さいと考えられた。
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