研究課題
基盤研究(C)
荷電高分子薄膜の水和状態と生体分子との相互作用力を、中性子反射率測定法と反射微分干渉顕微鏡による粒子揺らぎ解析により研究した。荷電高分子薄膜の水和状態や生体分子との相互作用が荷電高分子の化学構造や、共存するイオンや溶媒、生体分子との相互作用に応じて変化する現象を見出した。さらに、荷電高分子薄膜と生体分子を複合化することで,湿潤環境下において高度な潤滑性を発現する複合薄膜を創成した。
高分子構造,高分子表面/界面
湿潤環境下における荷電高分子薄膜の水和状態や相互作用は、その計測が技術的に困難であるため未だ解明されていない。本研究における荷電高分子の水和状態と相互作用の環境応答性についての知見は、荷電高分子の生体適合性や潤滑性における普遍的原理の解明につながる研究成果である。荷電高分子は、人工血管、人工関節、ステントなどの医用材料に幅広く用いられており、その生体適合性、潤滑性の起源は高性能バイオマテリアルの開発を促す学術的知見となる。