研究課題
最終年度は,COVID-19感染症対策によって研究活動に大幅な制約がでたので,一部予定を変更しながら次の3点,(1) Poly(N-isopropylacrylamide) (PNiPAm)ブロックの蛍光標識とその蛍光相関分光(FCS)測定,(2) poly(ethylene oxide) (PEO)-poly(propylene oxide) (PPO)交互マルチブロック(AMB)の蛍光分子包摂速度の観測,(3) Poly(N-t-butylacrylamide) (PNtBAm)とPEOの交互マルチブロック共重合体の合成とそのキャラクタリゼーションを行なった.(1)は当初の予定通り,PEO-PNiPAm AMB共重合体のFCS測定を可能にする目的で,両末端にカルボキシル基を有するPNiPAmブロック(α,ω-carboxyl PNiPAm)にアクリル基を有するローダミンを共重合させた.ブロック自体の合成には成功したが,蛍光標識されたPNiPAmとpoly(ethylene oxide) (PEO)の交互マルチブロック(AMB)共重合体の合成までは至らず,今後の課題になっている.(2)では,半透膜の内側にPEO-PPO AMB共重合体,外側に蛍光分子8-anilino-1-naphthalenesulfonic acid (ANSA)を溶解させて,半透膜内のPEO-PPO AMB共重合体がANSAを包摂していく様子を時間ごとに測定する系を構築した.これにより,PEO-PPO AMB共重合体ミセル形成の速度論的解析ができるようになった.(3)ではPPOよりも疎水性の強いPNtBAmを疎水ブロックとした両親媒性AMB共重合体を合成した.合成および分子量分別に成功し,光散乱法および小角X線散乱法にてメタノール,水溶液中での形態解析を行なった.
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (11件)
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