相変化潜熱蓄熱材は、物質の状態が変わる際に、吸収あるいは放出される融解熱や凝固熱などを利用して熱を貯蔵するため、蓄熱量(潜熱量)はカギとなる性質であることが明らかとなった。合成した7種類のC-gel MCの動作温度(融点)、蓄熱能力(融解熱・凝固熱)、耐熱性および結晶構造を評価した結果、C-gel MCの長鎖アルキル側鎖が相変化物質の役割を担っており、蓄熱機能をゲルに賦与するしていることが明確に確認できた。当初の分子設計通りに、合成したC-gel MCがシェルとコアの境界をなくした新しい構造をもっており、芯物質漏洩の問題が存在しない高耐熱性高蓄熱機能を有する新規蓄熱材であることを明らかとした。本研究で解明した化学架橋・長鎖アルキル側鎖構造―潜熱蓄熱機能の相関性が今後の高機能潜熱蓄熱材の設計への活用が期待できる。
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