日本人が発明したSPSは、成形加工性が高い耐熱性エンジニアリングプラスチック材料であるが、その特性の高さに比べて、製品材料としてはこれまで十分有効に使われてはこなかった。本研究は、このSPSの有効利用法として、他の高分子や有機・無機化合物とコンポジット化して機能を持たせる方法を開発し、提案したものである。特に、SPSの特異性である、結晶なのに空隙があるという特性を活用し、空隙を一定方向に並べ、この空隙内で温和な条件で導電性ポリマーを重合して一定方向に導電性を付与するなどの機能を与える方法は、新たなSPSコンポジットシステムの構築に有効であると考える。
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