研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遷移金属を用いた含フッ素アルキンの反応では,これまでPd, Ru, Rhなどの希少かつ高価な遷移金属が利用されてきた。本研究では,自然界に豊富に存在し,かつ安価なコバルトを用い,上記遷移金属とは異なる化学的挙動,例えば,高位置あるいは高立体選択性などを実現できたことは,学術的観点から極めて貴重と言える。 また,含フッ素アルキンとニトリルとの交差[2+2+2]環化付加反応を開発できたことは,今後の反応条件の更なる精査が必須であるとはいえ,ペルフルオロゴム原料を用いた交差[2+2+2]環化付加反応を通じた,超耐性フッ素ゴム創製の実行可能性に光明が差したと言え,社会的意義も大きいと思われる。
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