研究課題/領域番号 |
18K05258
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
小川 和也 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50335486)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | フルオレン / 蛍光色素 |
研究実績の概要 |
近年、光機能性有機材料が注目されており、有機EL材料、色素感太陽電池などに応用されている。単量体では発現しなくてもエチニレンでπ共役系を拡張する ことによって、新たな光機能を発現することが期待される。本研究では、紫外部に強い発光を示すカルバゾールを連結させ環状にπ共役系を拡げることによって 発光材料の開発を目指した。 今年度はπ共役系を持つ有機色素であるフルオレンをジエチニレンで連結した環状フルオレン連鎖体の合成を目標とした。また、フルオレン連鎖体の光特性の調査を行い、二光子吸収特性を持つ青色発光材料としての応用を目指す。フルオレン同士をジエチニレンで連結するために、まずフルオレンの2位と7位をエチニル化した。フルオレン連鎖体は、単量体のジエチニルフルオレンをクロロホルム中、塩化銅とTMEDAを用いたグレーサー反応によりエチニル基同士を連結させ合成した。合成した混合物をGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により目的分子の単離を行った。GPCでは分子量が大きくなる程、分離能が悪くなるため、単量体から15量体を合成した場合、生成物は14,15,16量体などの混合物となり、分離が困難である。そこで,単量体→3量体→15量体と2段階に分けて合成を行った。3量体から15量体を合成した場合、12,15,18量体の混合物となり、分離が可能であると推測した。結果、3量体→15量体は、15量体の単離が困難であり断念した。単量体→2量体→4量体→8量体→16量体のルートでは、16量体までの合成を行い、前ルートの課題であった目的物の単離をすることができた。また、単量体及び2~8量体について光特性を測定し、単量体では紫外発光、2,3量体では紫色発光、それ以上の分子では青色発光を示した。今後、二光子吸収特性の解明を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、フルオレンのπ共役系をエチニレンで連結した青色発光色素の合成に成功し、発光特性の解明をおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
フルオレンの代わりに、ポルフィリン等を使うことで他色の発光色素の合成を目指す。エチニレンにより連結することで二光子吸収特性の向上が期待される。
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備考 |
http://nerdb-re.yamanashi.ac.jp/Profiles/337/0033664/profile.html
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