多くの場合、MOFは金属錯体としてレアメタルを使用せねばならず、資源、環境、エネルギーという時代の束縛が益々厳しくなって行く現在、レアメタルを用いずに「原子レベル」で制御された3次元ネットワーク構造を構築する手法の開発が求められている。カルボン酸やリン酸エステルとアミジンやグアニジンから形成される水素結合性イオン結合を利用することで、従来のものに比べてはるかに安定な超分子集合体が得られることを明らかにしたことは学術的に価値がある。のみならず、MOFに代わりうる可能性を示すことができた点は社会的なインパクトにもつながりうる成果であると考えられる。
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