研究課題
本研究では、電子およびイオン輸送部位を有する電子ーイオン混合伝導体の開発を目的としている。本年度は、合成した化合物を電解合成し、単結晶の合成およびその他の物性評価を行なった。化合物と電解質を含む溶液の電解合成により、深緑色の単結晶が得られた。単結晶X線構造解析より、クラウンエーテル部位におけるNaイオンやKイオンの包摂が確認され、さらにはpi-共役部位内の窒素原子にも金属イオンが配位した架橋型配位高分子であることが分かった。また、使用するpi共役分子の種類と電解質の組み合わせにより配位高分子の構造を制御することが確認された。本研究成果は、現在論文審査中である。また、クラウンエーテルの代わりにイオン導電性を有する部位を導入することで、薄膜形成が容易に行えるような自己組織化材料の開発にも成功している。本材料は、温度やイオン混合により発光色を制御することが可能である。本研究に関しては論文投稿準備中である。その他に、電子アクセプター性を有する新規機能性材料の開発を行った。本材料は、中心骨格にキノン部位を有しており、末端には長鎖アルキル基を導入している。本材料は、室温を含む温度範囲でカラムナー液晶相を形成している。さらに、モデル分子を用いた単結晶X線構造解析により分子が一次元にスタックした構造を形成することを確認している。本研究内容は、既に国際論文発表済みである。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
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