研究課題
基盤研究(C)
界面活性剤を鋳型としたソルゲル法を用いてメソ多孔性EuTiO3薄膜を作製し、細孔由来の結晶格子歪みを活用したマルチフェロイック化(強誘電性と強磁性の同時発現)を目指した。結晶化した細孔骨格内部にはモザイク状の結晶格子歪みがもたらされた一方、骨格表面はアモルファス化し、コアシェル構造を形成した。反強磁性であるバルクとは異なり、作製した多孔性薄膜は強磁性的な振る舞いを示した。表面アモルファス層の他、EuTiO3結晶の格子歪みが強誘電性誘発の要因であると想定された。
無機化学・物理化学(主として物性)
多孔体化およびアモルファス化により、バルクとは異なる物性をもたらすという新しいコンセプトを提案することができた。特にアモルファス化が材料物性に対し、ポジティブに働くという希有な例にたどり着くことができた点が、学術的に意義深い。