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2020 年度 実績報告書

太陽光エネルギー変換のための熱-光化学ハイブリッド水素製造プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K05292
研究機関富山大学

研究代表者

萩原 英久  富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (30574793)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード水素 / 水分解 / 光触媒 / 熱化学水素製造
研究実績の概要

今年度は、ヨウ化水素(HI)水溶液からの水素生成反応に高い活性を示す半導体光触媒の開発を中心に検討した。光触媒材料については、高い結晶性と比表面積を有し、光触媒としても高いポテンシャルを有する酸化物ナノシートのTiO2ナノシート(TiO2-NS)を用い、遷移金属化合物の担持による可視光下での活性向上効果を検討した。様々な遷移金属種をTiO2-NSに担持したところ、Co > Fe > Mn > Niの順に高い活性を示したことから、Co種担持TiO2-NSを中心に研究を進めた。XPS、FT-IR、SEM-EDXより、Co種はα-Co(OH)2であり、TiO2-NSに高分散に担持されていることが示唆された。UV-Vis拡散反射スペクトルからは、600および400 nm付近に新たな吸収帯が発現し、600 nm付近の吸収はα-Co(OH)2のCo2+のd-d遷移に、400 nm付近の光吸収はTiO2-NSの表面のα-Co(OH)2からTiO2-NSの伝導帯への遷移に由来すると推測された。光触媒活性をAgNO3水溶液からの酸素生成反応で評価したところ、最適担持量は1 wt%であった。また、光触媒活性の波長依存性を検討したところ、α-Co(OH)2で修飾することでTiO2-NSは可視光応答性を発現することが明らかとなった。この触媒を用いてHI光分解反応を行ったところ、水素とヨウ素の生成が確認されたことから、α-Co(OH)2/TiO2-NS触媒がHI光分解反応に活性を示すことを見出した。
本研究の実施により、半導体光触媒を用いたHI光分解では、水の光分解反応の場合と比較して、反応中に助触媒の溶出と光還元による再析出等が起こりやすくなることが明らかとなった。光触媒の高活性化には、HI光分解時の助触媒や半導体の挙動を十分に考慮したうえで、適した材料を選択する必要があることが分かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Photocatalytic hydrogen production from triethanolamine aqueous solution by LaTa2O7 nanosheets treated with nitrogen plasma2020

    • 著者名/発表者名
      H. Hagiwara, K. Hayakawa, I. Nozawa
    • 雑誌名

      Annual Report of Hydrogen Isotope Research Center

      巻: 39 ページ: 1-8

  • [学会発表] 酸化物ナノシート修飾光触媒による可視光酸素生成反応2021

    • 著者名/発表者名
      萩原英久,早川克明
    • 学会等名
      第127回触媒討論会
  • [学会発表] Co(OH)2修飾酸化チタンナノシートによる可視光酸素生成2020

    • 著者名/発表者名
      早川克明,萩原英久
    • 学会等名
      触媒学会西日本支部第30回キャラクタリゼーション講習会

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公開日: 2021-12-27  

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