自由電子レーザー(FEL)光源を利用した新しいフォノン分光の確立を目指した。エネルギー生成・貯蔵の過程における損失となる熱を理解し、より革新的な材料開発に生かすため、波長可変な中赤外FELを用いて固体における個々のフォノンモードを自由に選び、励起できる、新たな分光法の確立を目的とした。 ダイヤモンドにおける赤外不活性な振動モードのFEL二光子励起による選択励起に成功したが、レーザー照射に伴う試料表面の破壊で励起フォノンが赤方偏移した。測定光学系の見直しで破壊のない測定条件で高感度の信号の検出が可能となり、赤方偏移も解消された。選択励起フォノン・モードの選択肢が赤外不活性モードへと拡大された。
|