研究課題
外部充電不要な小型電子機器が実現すれば、情報通信技術(ICT)やIoT機器の利便性、メンテナンス性が飛躍的に向上する。現在、太陽電池と二次電池とを組み合わせた電子機器は存在するが、機器が大型化し、携帯型電子機器への応用は困難である。本研究の目的は、外部電源がなくても使用可能な小型電子機器の実現に向け、光による充電機能を有する二次電池正極材料を開発し、光充電できる電池を作製することである。具体的には、ジチオビウレット(DTB)をベースとした有機硫黄材料のジスルフィド結合(S-S結合)の電気化学的充放電(酸化還元)、光充電(酸化)について多様な分析手法を駆使し、(1)高効率光酸化条件の決定、(2)電池セル内光化学反応の機構解明、(3)外部充電不要な光充電の作製、のステップで研究を推進した。本研究期間中、「(1)高効率光酸化条件の決定」では、溶液中での光酸化を試み、pHの最適化と溶液中の帯電除去により、光酸化反応が劇的に促進されることを明らかにした。また、「(2)電池セル内光化学反応の機構解明」では、窓付きセルを用いて正極に直接光照射光照射することで、光照射しない場合に比べ、セルの電圧上昇率が高いことを明らかにした。「(3)外部充電不要な光充電の作製」では、光照射可能な石英ガラス製の2極セルを用い、正極に直接光照射が可能な配置とするために、正負極逆転の構造で電池セルを作製し、電気化学的に正常に動作することを確認した。
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