研究成果の概要 |
電極界面での現象を理論的に取り扱うことは難しい。電極|電解質溶液界面の不均一系をすべて量子力学計算できたらいいが,多原子の系を分子動力学計算する必要があり基本的に不可能である。本研究では,帯電した電極表面の電子を量子力学で取り扱い,電解質溶液を積分方程式で近似し,電気二重層を古典的に近似することで,理論解析をおこなった。対象とした系は,Al電極上のNaCl水溶液の微分キャパシタンスの電位依存性である。古典理論では,微分キャパシタンスはpzcで最小値をとり一定値になるまで増加するが,実験結果は一定にはならず減少に転じる。計算の結果,定性的にはこの傾向を説明できたが,定量的な解析では問題が残った。
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