有用な細胞機能調節物質の開発を目的として、イトマキヒトデ胚の発生を特定の段階で選択的に停止させる活性を指標にして、海洋生物などから生理活性物質の探索を行った。その結果、エジプト紅海で採取された軟体サンゴからは新規な大環状ジテルペノイド類を、またハムシ科甲虫の代謝産物からは新規硫酸化プリン配糖体類を、さらに日本固有種の植物カンアオイの根からは新規なオキサジノン環を有するフェナントレン誘導体類を単離し、それらの構造をNMRおよびMSスペクトルデータならびにX線結晶解析に基づいて決定した。これら新規化合物のうちの数種は、がん細胞の増殖を抑制したほかアポトーシスを誘導することを明らかにした。
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