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2020 年度 実績報告書

新奇糖転移酵素によるS-結合型糖鎖修飾の構造基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K05340
研究機関学習院大学

研究代表者

中村 顕  学習院大学, 理学部, 助教 (40432356)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード糖転移酵素 / X線結晶構造解析 / 抗生物質
研究実績の概要

本研究では、ポリペプチド中のシステイン残基側鎖のチオール基に糖を付加する新奇S結合型糖転移酵素ThuSについて、構造生物学的研究を通じて、化学的・生物学的安定性が高いS結合型糖付加反応を触媒する酵素の反応機構の詳細な解明を目指している。令和2年度は、前年度に引き続き、試料調製と構造解析を進めた。
結晶化条件探索を進め、以前とは異なる条件で得られたThuSタンパク質の結晶について、回折強度データを収集した。前年度までに決定したThuSのC末ドメインの立体構造および構造既知のO結合型糖転移酵素の立体構造をモデル分子とした分子置換法により、初期位相を決定した。その後、1.92 Å分解能でR=20.3%, Rfree=23.4%まで構造精密化し、ThuSタンパク質全長の立体構造を決定した。
ThuSは糖転移反応に重要な金属イオン結合部位を持つN末ドメインと、二量体形成に重要なC末ドメインから構成されていた。また、N末端には他の糖転移酵素では存在しない、あるいはアミノ酸配列が保存されていない領域が見つかった。基質の一つであるUDP-グルコースとの複合体構造解析から、N末ドメインに活性部位が存在することが分かった。しかしながら、活性測定の結果、N末ドメインだけでは糖転移活性を持たないことも明らかとなり、C末ドメインは単に二量体形成を担っているだけでなく、酵素活性にも寄与することが示唆された。また、タンパク質分子表面から活性部位へと繋がるトンネルが二箇所見出され、一方は糖ヌクレオチド基質、もう一方はペプチド基質が出入りすることが予想された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Highlighting the potential utility of MBP crystallization chaperone for Arabidopsis BIL1/BZR1 transcription factor-DNA complex2021

    • 著者名/発表者名
      Nosaki Shohei、Terada Tohru、Nakamura Akira、Hirabayashi Kei、Xu Yuqun、Bui Thi Bao Chau、Nakano Takeshi、Tanokura Masaru、Miyakawa Takuya
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 3879

    • DOI

      10.1038/s41598-021-83532-2

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 特徴的な化学結合を形成するペプチド性抗生物質の生合成酵素の構造解析2020

    • 著者名/発表者名
      中村 顕、松浦 辰信、深谷 翼、椎名 彩圭、関 友梨栄、関口 和樹、籾山 瑞季、小島 修一
    • 学会等名
      日本生化学会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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